文庫の小説をMacで作る話
こんにちは。まろうみです。
普段こちらでは言わないのですが、私は本を作ることが大好きで、最近のアツ〜い趣味は文庫本を作ることです!自分だけの本を作るのって、憧れませんか?その憧れだけを胸に、この半年で、すでに五冊もの文庫本を作りました。(多い)
もちろん作業する中でたくさんの新しいことを調べ、学びながらやってきたのですが・・・
色々と調べていて思ったけど、やっぱりMacで、pagesを使って本を入稿する人めっちゃ少ないな…?
— 🐰まろうみ✈️ (@megumigan) February 8, 2021
どっかにまとめてみたらお役に立てるかもしれないね?
Macの既存アプリ「Pages」を使って作品を作ってる人、少なくないですか!?
こんなに優秀なアプリなのに!
MacだったらiPhoneやiPadとAirdorpやオンライン共有して、やりたいときにやりたい場所でサッと対応したい放題なのに!!
他にも優秀なアプリがたくさんあることは、もちろん知っています!調べたので!
でも、既存であるアプリを利用する方法を知らないっていうのは勿体無い!知って損はないのでは?とこのエントリを認めるに至りました。
みんな、『Pages』は、いいぞ!!!
というわけで、本題、行きます。
※2022/2/6 写真サイト様を1件追記しました。
※2023/11/20 推し印刷所様を1件追記しました。
1.テンプレを用意する
本を作るには、まず枠組みが必要です。
ただ、これを一から作ることを説明するのは 面倒 大変なので、普段私が入稿用に利用しているテンプレートを置いておきます。DLして使ってください。
なお、恐れ入りますが、このテンプレから値を変更する方法などは、お答えできません。
変更したい箇所がある場合は、ご自身で設定方法をお調べくださいませね!
(↓からダウンロード!GoogleDriveリンク)
あ!上記ファイルの基本の設定は ↓ この通りなので、これが自分でできる方は、自分の端末からテンプレートを作ってもOKです!
2.本文を書く
これはもう、書け!としか言えないんですが(・・・)私なりの小説の作成手順をちょっと書いてみましょうね。
基本的には、テンプレートに移すのは最後に一気にしています。
体裁を整える意味でも、そのほうが集中して一思いにできるので・・
では、通常はなにで文章を書いているのかというと、「メモ」です。
iPhoneには、標準でメモアプリが入っていますが、これが割と使いやすい。
フォルダ分けできるし。
ピン留めもできる。
そしてAirDropできるので、Mac⇄iPhone⇄iPad間の共有だってお手軽で、ロックもできる。AirDropした時も上書きはされないので、誤って書いた文字が消えたり先祖返りすることもなくて安心。
文字数のカウントはできないけど、画像も組み込めるし、手書きもできる。
なんなら章タイトルだけ太字表示とかもできるから探しやすい。
さすがすぎじゃん。愛した。
※文字検索や置換は、PCであれば楽々!iPhoneだと、一括置換はできなかったはず。
書いてる途中で文字数を気にしたところで、実際にPagesに移し替えた時に調整は必要になるので、この時点では全く気にしません。とにかく書く。書きまくる。それだけの作業です。で、粗方の文章が完成したら、ついにPagesで作業します。
ここからは、私個人の主観、「文庫ってなんとなくこうだと思ってる」テイの作り方ですので、まんま真似しなくてOKです!ご自身のイメージに沿って、オリジナリティあふれる創作物を完成させてくださいね!
<なんとなく手順>
テンプレートを開くとこんな画面になるかと思います。
①なんとなく、表題ページを作る。
文庫本って、開くと一番最初にタイトルが載ってたりするじゃないですか。
そんなイメージで、まず画像をセットできるように画面を整えます。
「イメージギャラリー」をクリックして、画像枠を投入!
こんな感じ。
右端に写ってる「キャプション」項目のチェックは、経験上、外しておくとあとで楽です。
続いて、ページを増やします。
左上の「+」ボタンをクリックすると、ページが増えて以下の画面のようになります。
②扉を作る
ここから本文か!と思うかもしれませんが、ちょっと待ってください!
それでももちろんいいのですが、文庫本らしく、扉絵、入れたりしたくないですか?
入れたいですねぇ〜〜〜〜〜
そうなると、偶数ページが扉絵だと少し残念。
なんでかといえば、文庫本を開いた時に、右側にくるページが偶数ページだから。
扉は、できたら奇数ページにしたいですよね。
と言う訳でこのページは、目次にでもしちゃいます。
そうしてもう一度「+」ボタンからページを追加し、そちらにも「イメージギャラリー」を仮配置しておきます。
ちなみに、このイメージギャラリーを配置さえしておけば、この灰色の上に、使いたい画像(jpgとか)をドラッグ&ドロップするだけで、その画像がペタッと入り込みます。
大きさを調節するだけで、あら、扉絵の出来上がり。素晴らしい!
さ、ここにきてやっと本文です。
他のアプリに認めておいた文章をコピーして、ペタッとペースト!
文字でけぇな、おい
はい。
近頃のアプリは頭が良すぎるので、元アプリのフォント設定を色々ともったままPagesにコピーされてしまいました。ここが面倒なところなのですが、頑張ってフォントサイズを変えてみましょう。
フォントサイズを変更したいテキストを選択状態にして、「フォント項目」をいじっていきます。
フォントファミリは、文字化けしない「ヒラギノ明朝Pro」、それから、フォントサイズは、文庫で読みやすいとされる「8〜8.5」程度を推奨します。(サイズは人それぞれお好みで変更してね!)
また、オンデマンドで作る人は特に注意してほしいんですが、テキストカラーが「黒」になっていることは絶対に確認してくださいね!中途半端な色になっていると、トーンっぽく薄い色で出来上がってきます。
(この辺りはご自身が好きなようにいじって大丈夫ですが、フォントファミリーの方は「ヒラギノフォント」以外にすると後で紹介する「pdfの埋め込みフォント」ができないかもしれないので、念頭に置いておいて下さい)
続いて、「詳細」に移動して、「最初の行/最後の行だけを残さない」のチェックを外します。
ここを外しておかないと、不自然な空行ができてしまうので、ぜひ設定をしてくださいね。
文章をコピーしてくるたびにこれをやらないといけないので、そのままここに書いていくわ!!!!って人はそれでも全然いいと思います!!楽そうですよねそのほうが・・・笑
こんな作業を繰り返しながら、本文を作成していきます。
本文が書きあがったらPDFファイルに出力します(ほとんどの印刷所で、PDF入稿が受け付けてもらえると思うのですが、事前に入稿先の情報をみておいてくださいね)
ファイル>書き出す>PDF からPDF作成ができます。
私は、誤字脱字チェックもPDFで行います。
出来上がったPDFファイルを、iPadにAirDorpで送信して、ブックに取り込み後、ひたすら読みます。
誤字や脱字、変な表現など、直したいところを見つけたら、その場で赤ペンやマーカーチェックして、あとで一気に本文の修正をかける・・・といった方法で対応してます。
↓こんな感じ
3.PDFにする
私に言えることはただ一つ。
ここだけは、既存アプリのプレビューを利用するんじゃなく、Adobe PDF Readerを使え。
なんでかと言うと、入稿先ではこのソフトが使われることが一般的だからですね!(IT企業勤めから言わせると、セキュリティホールが多いのであまりAdobe PDFは使いたくないのですが仕方ない)
pagesからPDFに書き出したあと、プレビューで確認したから大丈夫、なんて言ってると、文字がずれていたりフォントが組み込まれていなかったり・・・と、予想外の事態が発生するので、本当に、本当に、本当に注意してください!
個人的には、PDFになった際に確認していることは
・余白ページが無駄に入りこんでいないか
・画像が別のページに表示されたりしていないか
・文字ズレはないか
・埋め込みフォントの設定
です。
挙げたポイントのうち、最初の3点は、見ればわかることなので良いのですが、問題は4つ目。
これは、PDFファイルを開いた際に表示されるメニューから「ファイル>プロパティ>フォントタブ」を見ることで確認できます。
埋め込みフォントとは「PDFファイルを開く側のシステムに、自分が使ったフォントが存在しなくても、オリジナル通りにフォントを表示、印刷させる技術」のことです。
例えば、日本語環境のPCで中国語の文字が文字化けする…なんてこと、よくありますよね。こういう事態をなくせるので、ぜひ確認しておいてください。
下の画像のように、利用している全てのフォントの横に「(埋め込みサブセット)」と出ていれば問題ありません!
4.表紙を作る
私は元々が絵や漫画を書いていたことがあり、あまり抵抗がないのですが、文字だけの本を作りたい人にとって、最大の難関がここみたいですね。
大まかに、表紙を作る方法は
①自分で描く
②有償で人に頼む
③無料のテンプレートを利用して作る
があると思っています。
①は、自分で撮影した写真を使ったり、一からイラストを描いたり。
②は、ココナラやPixivなどで有償の表紙作成請負をしている方に頼んだり。
となるでしょう。
ただ、「自分用に本を作るだけなのに、表紙まで作る気力がない。けど人に頼むのもハードルが高い。」という気持ちになる人も多いのでは?
そこで、③無料のテンプレートを利用して作るの出番です。
無料のテンプレートは、個人様が出してくれているものもちょっと探せばゴロゴロと出てくるのですが(ありがたい世の中ですね・・)個人様が善意で出してくださっているものは、規約をそれぞれで確認し、把握して利用するのが、割と難しいものです。
どの素材をどのサイトでDLしてきたのか不明・・・
この素材は勝手に改変してもいいんだっけ?!
これは他の素材と合成はNGだったっけ・・・・
様々な疑問を一つ一つ覚えておいて違反なく利用していく・・・そんなことをしていると、①とさして変わらないほど時間がかかるし、後々怖くなってくる。
「自分、規約違反してないだろうか」、と。
そうなるよりは、一つの場所でテンプレートをお借りし、安心して利用するというのも一つの手なのではと、私なんかは考えます。
そこで!!!私のオススメは、こちら!!!
言わずとしれた、あの電化製品の・・・Canonさんです!!
ツイッターで拝見した時、驚いて「神??」と呟いたことが記憶に新しいです。
同人誌のために、テンプレート出してくださってます。すごくない?企業からこんなものが出てくるなんて誰も思わないでしょ・・・・持つべきものは、Canonだよ・・・(???)
Q. 文庫サイズの本、おうちで作れる🤔?
— キヤノン おうちでつくる同人誌 (@Canon_doujin) September 30, 2020
A. 作れます👌
文庫本はA6サイズ。半分に折ってホチキス止めの”中綴じ” で作る場合【A5サイズの紙】に印刷すれば、文庫サイズの本が完成します☺️
帯を付けるときは、一緒にホチキスで止めちゃえばズレません😉
写真の下段が文庫サイズ、上段がA5サイズです! pic.twitter.com/r9gBetdkMB
いやもう本当に、こんなクオリティのテンプレを、無料で、しかもなんの縛りもなく??(一応、利用規約はしっかりと提示してくださっているので、それは個人でご一読くださいね!)いいんですか、享受してしまって??
しますが
#うごく見本誌 、小説サークルには関係ないなぁ…と思っている方、関係あります~!!
— キヤノン おうちでつくる同人誌 (@Canon_doujin) January 16, 2021
見本誌を手に取ってペラッ📖👐とできない今こそ、「本文のレイアウト、どんなかな?」「フォントは?」「文字サイズは?」などなど、知れると嬉しいです🥺✨
ℹ️詳しくはこちらから🙇♀️:https://t.co/1L1qBiAHLt pic.twitter.com/yJJqCj0xvH
いや、控えめに言わなくても神じゃね?
#おうちでつくる同人誌の表紙テンプレ は
— キヤノン おうちでつくる同人誌 (@Canon_doujin) September 26, 2020
👌有料/無料で頒布する同人誌の表紙に使えます
👌イラスト追加や、フォント変更、テキスト削除などの編集もOK
🆖「テンプレそのもの」の再配布は禁止です。詳しくはサイトの利用規約をご覧ください😊
モーメントにもまとめてます↓https://t.co/YQ4zJ5n8MI
ありがとうございます!!!!!!
なんかもうCanonさんのダイマか?ってなったけど、本当に素晴らしいと思うものをただただご紹介したまでですので悪しからず。
ただまぁ
うちのプリンタは、Canonです!!(ニコッ)
テンプレが胸熱すぎて長くなりました。
他に、私が利用しているデザイン系のサイトをご紹介しておきます。
①EC design さん
こちら、使用条件がこんなにゆるくていいんでしょうか?というくらい緩いのに、ものすごくたくさんの素材を公開してくださっている、激推しサイト様です。
飾り枠など、自分で作成するにはハードルが高いものもたくさんあるので、暇なときについついのぞいて、「今度これ使わせてもらおう・・・」と妄想を膨らませております。
②Canva さん
言わずと知れたデザインサイト。様々な媒体用に、たくさんのテンプレートが用意されています。
私は、ここで色味や文字の配置などを研究して、かっこよくて見やすい表紙や広告ってどうやって作るんだろう・・・と勉強させてもらってます。
無料プランだと、印刷には向かない解像度のファイルしか出せなかったと思うので、そこは注意してくださいね!
③Unsplash さん
最近有名になってきた気がします。解像度がありえないほど素晴らしい写真がたくさん揃っている海外サイト様。眺めているだけで海外に行った気分になれるので、おすすめ。
検索するときは英語でキーワードを打ち込むことになるのでご留意を。
④FontFree さん
日本語のフォント探しなら、ここ!ってくらいめちゃくちゃ見てる。
フォントに関しては、まだまだ海外サイト(英文字)のほうが多い印象があります。
ここでは、かな、カタカナ、漢字、それぞれを扱えるフォントがわかりやすく配布されているので、安心して使えて嬉しいです。
商用はNGとか、個人の範囲での利用のみ許可とかそれぞれのフォントに規約があるので、そこだけは守って利用していきましょう〜!!
フォントが増えるだけで、めっちゃかっこいい表紙ができます(あたりまえ体操)
・・・・で、これらのサイトを利用して、どうやって表紙作るんだぜ????と言う話なんですが。
基本的には、入稿したい印刷所様から「文庫用の表紙テンプレート」をダウンロードしてきて、それを利用して入稿用のデータを作ります。
他の印刷所のテンプレでもいいですよーと言うところもありますが、やっぱり、入稿先オリジナルので作っておくほうが安心だと思っています。ので、都度ダウンロードしましょうね。
ダウンロードしてきたら、zipファイルを解凍し、中身のファイルをみてください。
「〜〜.psd」や「〜.ai」ってファイルが入っていることが多いんじゃないでしょうか。
なんだこれ、みたことないぜ。
そういう人も多いかと思います。これ、フォトショやイラレと呼ばれる、画像処理ソフト用のファイルです。ただ、フォトショやイラレ、個人で購入するとバカ高いので、ここはありがたく、無料ソフトを使わせてもらいましょう。
Macでも利用可能!!複数言語対応!!iPhoneやAndroidでも利用可能!!!
ありがてェ〜〜〜〜無料ソフト、それが・・・
MediBangPaintPro なんだぜ!
使い方も、サイトでめちゃくちゃ丁寧にしてくださっているので、私の方では割愛します。
サポートも充実しているので・・・そっちのFAQで頑張ってください!(投げ)
psdファイルはmedibangで処理しましょう!
このアプリと上述のテンプレ等々を使って、頑張って表紙も作成したら、あとは入稿だけ、です!
5.私が使ったことある印刷会社様のご紹介
どこも凄まじい企業努力の賜物・・ってくらいお安いし綺麗に印刷してくださるので、大好きです・・・。個人的によく利用しているところからご紹介します!!
1.HOPE21さま
とにかく入稿がラク!!
それから見積もりがネット上で、自分で、何度でもできるので、気兼ねなく予定が立てられる!
そして、オンデマンド印刷の方は、この値段でいいんですか?って言うほどお安い上に、いろんなサービスが充実している!!(紙替えとか、本の角を丸くするのとか)
オンデマンドは10冊〜刷ってもらえるので、ハードルも低いんじゃないでしょうか。
もう本出すときは一番最初にHOPE21のホームページを開くほど毎度利用させてもらっています。
LOVE HOPE
小説だと、オンデマンド印刷すると文字が掠れちゃったりしがちなので、気になる人はオフセット印刷をお勧めしますが、技術は日に日に進歩しているので、信じて入稿してみるのも、ありですよ!
2.OneBooksさま
https://red-train.co.jp/onebooks
一冊だけ本が作りたい・・・。そんな時にいつでもお世話になっています。通称ワンブさま。
ここで、驚くべきは「本の装丁」
信じられます?一冊1000円以下のお値段で、カバーと帯が付いた文庫本が出来上がるなんて。(もちろんページ数によりますのでご留意ください)
いや・・私はぶっ飛んでしまった・・・
こちらで200ページ弱の文庫本を二度ほど入稿させていただいたのですが、本当に仕上がりが綺麗で本棚に並べちゃうと売り物か?って思うほど・・・。眺めてしまう。FOREVER LOVE....
ただ、そのサービスの良さからいつでも予約がいっぱいなので、入稿予約が「一ヶ月前」に必要になってきます。稀に、予約受付が終了している日もあるので、「本を作りたい!」と思ったらその日に予約しておくのがお勧め。
さああなたも!締め切りに追われてレッツ原稿☆(虚ろな瞳)
3.テイズプリントさま
フルカラー印刷がこの値段で!?と言うくらいお値打ち価格で作ってもらえる印刷所様。
以前、エディンバラの旅行本を作ったときは、こちらで入稿しました!
オンデマンドでも写真の仕上がりがとても綺麗で大満足でした。
ポイントは、届いた本と一緒にひよこが入ってること、ですかね(笑)
4.San24さま(ワンコインBook)
※2023/1/3 サービス終了に伴い削除
5.製本直送.com様
とにかく製本が早い。そして予約を入れなくてもいい。さらにおやす〜い!一冊から作れます最高。
小説書きに嬉しいのが、製本直送さん独自のジェネレーターで表紙、作れるので、本文さえPDFで用意しておけばあとはもう入稿まっしぐら🎶信じられんほど楽ちん🎶
ぜひ覗いてみてくださいまし〜!
pagesの説明をしたかっただけなのになんでこんなことになったのかわからないですが、長々とお付き合いいただきましてありがとうございました!
何かのお役に立てましたら幸いです。
pagesで小説作る仲間が増えたらいいな!それでは〜!
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