こんなときのにほんご.44
第44回目は「〜になります」の表現についてお話ししました
以前は日本でよく「1000円頂戴しましたので、お返しは30円になります」というセリフを耳にすることがあったかもしれません。 この「になります」は、一時期は日本語としておかしな表現だとされていましたが、実はそうでもないんです!
今回は、その理由と、「になります」を使う例をいくつかみていきましょう!
こんなときのにほんご.44「お釣りが10円になります」
(2021/2/14 配信全文)
Hello Everyone! I’m Megumi. How’s going?
Today is st.Valentine’s Day!! I ate chocolates.It’s tasty :)
This Podcast tells you “how should you say this situation in Japanese?”and “What does Japanese word mean?” Let’s keep studying Japanese with me.
こんにちは。めぐみです。皆さんいかがお過ごしですか?
今日はバレンタインデーなので、チョコレートを食べてます。美味しい〜♪
この配信では「こんな時日本語ではなんていうの?」「この日本語の意味は何?」といった疑問に答えています。なるべく簡単なフレーズで、自然な日本語で伝えるようにしていますので、引き続き一緒に勉強を頑張っていきましょう!
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第44回目は「〜になります」の表現についてお話しします。
今ではあまり聞かなくなりましたが、日本でお店に入ってお金を支払いすると「1000円頂戴しましたので、お返しは30円になります」というセリフを耳にすることがあったかもしれません。
この「になります」は、一時期は日本語としておかしな表現だとされていましたが、実はそうでもないんです!
まずは「になります」の例をいくつかみてみましょう。
1)私の娘は今年大学生になります
2)お世話になります
3)商品の到着は明後日以降となります
4)入社してから早5年となります
5)お返しは30円になります
6)こちら、本日のオススメメニューになります
1)と2)については、「ある状態から他の状態へ変化する」という本来の「なります」の意味で使われているごく一般的な使い方です。
2)の「世話になる」は、日本語独特の表現なので、わかりにくいかもしれません。「世話」には「面倒をかけること」という意味があり、ここから「お世話になります」は「面倒をかける存在・状態になります」という文章が成り立っています。
さあ、続いて3)。これは「ある時期に至る、到達する」という意味です。
1)や2)と同様に「これから先、ある状態に至る」という内容を含むので、わかりやすいのではないでしょうか。
次にこれらと全く別の意味を含むのが、4)の例です。
これは「〜に相当する、〜に匹敵する」という意味で使われています。
例文では「あまり時間が経っていないようにもみえますが、もう5年も経ちました!」という意外性を含み、これは「あなたはそう思っていないかもしれませんが、実は○○に相当しています」の表現にあたります。
さて、残りの5)と6)ですが、これらも実は4)と同じ原理で説明がつきます。
5)は「お釣りは30円に相当します」という意味ですね。
また、6)は「オススメメニュー」から、どんな料理が出てくるのかがわからない、つまり、相手が想像できていないものに対して「これがオススメメニューに相当する料理ですよ」という意味で「こちら、オススメメニューになります」の表現になっています。
どうでしょうか。「〜になります」が日本語として「へん!」と言われていますが、実は説明ができる、という雰囲気はなんとなく掴めましたか?
ですが、こうやって説明されても、全てに共通して、なぜ「です」という言い切りではなく「になります」と言い換える表現が多く存在しているのかが疑問ですよね。
これは、これらがある種の敬語表現として使われているからです。
敬語とは言いますが、これは基本的に人と人の距離感を表すものです。
例えば、英語であっても「過去形」を使うことで、ポライトネス(敬意)を表す表現はたくさんありますよね。
Can I help you? を Could I help you?というとちょっと丁寧になる、というのは聞いたことがあるんじゃないかなぁと思います。 もちろんネイティブの人は何となくわかりますよね。
それと同じように、日本語では「遠回しにいう」ということをして、距離感として敬意を表現するということがよくあります。
どういうことかというと、 「お釣りは30円です」だと、ただの言い切りの形なんですが、「お釣りは30円になります」だと、「私の力が及ばない領域で自然にそうなりました」、「自分がやったんじゃないんですけど、お釣りは30円になりました」…そういう内容を含む表現となり、相手と自分が行った行為の間に距離感が出てきます。
これが、敬意につながるわけです。
日本語の敬語表現は難しいと思われがちですが、紐解いてみれば案外わかりやすいところもあるので、ぜひ今回の内容も参考にしてみてくださいね。
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それでは、第44回目の配信はここまでとします!
That’s all for today.If you have any comments,please post it on my blog. See you next time! bye!
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