31/7/22 ホソク
ハコク(※1)の第一印象は「ソンジュ市と似て非なるもの」だった。ソンジュ市よりは少し活気があった。
僕は足早にプラットホームを歩いていく人の後を、ゆっくり、のろのろと歩いた。
ゆっくり動くのは自分らしくないことだったけれど、僕は人の流れを邪魔するほどゆっくりと移動した。
まるで「チョン・ホソクの真似は絶対にしない」と決めたように振舞った。
周りの人を気にせず、自分勝手に動いた。
日頃は食べない辛いものを食べ、勘定しながら食べてみたかった。(※2)
挨拶もしなかった。
周りに人がいないときには、道端に唾を吐いた。
インターネットを見ながら、この社会からなくなってしまう予定の場所に行った。
高校の近所の商店街にある建物の一階だった。そのわきには、文房具屋さんがあって、24時間営業のキムパプ屋さんもあった。
滑稽なくらい、ソンジュ市のツースターバーガーと似たような場所だった。
もし、ここに越してきたらどの辺りに住もうかと、周りを見て回っていると、通りすがりの人にぶつかってしまった。
「申し訳ありません」
思わず言って、それから停止した。
わけもなく目に力が入り、相手を非難の眼差しで見上げた。
以前よりも少ししっかりと見て回った。
ハコクのチョン・ホソクは、24時間、身勝手で、手に負えない、馬鹿な、愚か者だった。
でも、そんな錯覚は5秒程度のものだった。
「ホソク兄さん…ですよね?」
知っている顔だった。
(※1)辞書やインターネットで調べたが、この語句にあたる言葉や地名がなかったので、造語の可能性あり。ただ、文の流れから考えると、地名だと思われる。
(※2)どうしてもうまく日本語にならず、今のところ訳を断念中。。
「日頃はしない、礼儀を欠いた行為」を列挙しているところなので、「お会計をしながら、その場で食べ物を食べ始める」というような意味になると思われる。
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