11/4/22 ソクジン
今回もまた、溢れてくる日差しの中で瞼を開けた。
瞼の裏には、未だ、コンテナに上がった炎と、死んでゆくナムジュンの姿が残っている。
今回も失敗した。
腕で目を覆いながら考えた。ナムジュンを助ける方法はあるのだろうか。
9月30日の状況をゆっくりと振り返ってみる。
変に感傷的にはならなかったが、急に恐しくなった。
初めてコンテナ事故が起きてから、数えきれない程ループを繰り返して、気が狂いそうだ。けれど、まだループは起こっている。どうにかしなければ。
解決方法はあるはずなのに、探し出すことができなかった。いや、それよりも、最後までその糸口も「魂の地図」も何一つ見つからなかったのだ。
「魂の地図」
その話を聞いたのは、何度かループを失敗したあとだった。
「『魂の地図』を見つけたら、全てを終わらせることができるだろう。」
「魂の地図?それは何なのですか?」
問いただしたが、答えは返ってこなかった。
その代わりに、こう言われたのだった。
「ヒントの代償が降り掛かるだろう。」
少しするとナムジュンが働くガソリンスタンドが見えてきた。
ゆっくりとウィンカーを出して車線を変えた。
同じくらい考えたのだ。
9月30日の事故を防いで、ループを終わらせることも。
ただただ、目標に向かって進む。
その途中で問題が生じても、誰かが怪我をすることはない。
全てのことをうまくやろうとするよりも、もっと大切なのは、ループの世界を生きて抜け出すことだ。
それは、このループが、僕に与えた教訓なのだから。
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