13/6/22 ジョングク
夢を見た。
空中に浮いたまま、病室を見下ろしていたら、病室のベッドに、別の自分が横になっていた。
ベッドにいる僕は寝ているようだった。
どんな夢を見ているのだろう。閉じた瞼の奥で、瞳が断続的に動いていたが、そうしていると思えば、なんの兆しもなく、パッと目を覚ました。
その瞬間、目が合った。
その次の瞬間には、僕がベッドに横になっていた。
事故が起こった夜の夢を見た。
車のヘッドライトは月のようで、緑と青の、ビーズみたいな光に変わった。
そうして目を覚ましたときには、少し離れた所に、また別の自分が浮いていた。
空中の自分と目が合う。
二つの視線がクロスして、二人の意識が入れ替わった。今の僕は、空中に浮いている僕だったけれど、横になっている自分との入れ替わりを繰り返した。
何度も繰り返して、その速度がますます早くなり、目眩と吐き気がした。
そうするうちに、アッ、と声を上げて目が覚めた。
シートは汗でベタベタだった。
息が苦しくて吐き気がした。
ふと、それまで忘れていたことが思い出された。
誰かの声。
「生きる、死ぬ、よりも痛みを伴うはずだ。大丈夫か?」
母が医者を呼んできて、状況を確認した。
医者は、僕の回復は早いので、心配する必要はないと言う。あざや骨折はあったが、出血はほとんどなかった。交通事故としては、運が良かったとも言った。
僕は、医者を振り返って尋ねた。
「ところで、誰が僕を轢いたのですか?」
0コメント